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可食。癖はないが、量感に乏しくダシも出ない。歯ざわりと季節感が楽しめる程度のキノコであるが、このキヌメリガサが最盛期を迎え、晩秋のカラマツ林を彩ると、いよいよキノコのシーズンも終わりかと、もの寂しい気分になる。冬の到来を間近に感じさせるキノコの一つである。キヌメリガサのカサは、鮮やかなレモン色。表面は粘性があるが、比較的乾きやすい。饅頭型からわずかに中丘を持った平らに開く。乾燥時には放射状の絹糸様光沢がある。ヒダは淡黄色。垂生し疎。柄は白色。ときにやや黄色味を帯びる。内部は中実からやや中空。表面は粘液質の薄い表皮に覆われる。幼菌の柄には白色粘膜質のツバがあるが、成長すると痕跡は見分け辛い。肉は白色で無味無臭。よく似た、コガネヌメリガサ(仮.可食)のカサは、キヌメリガサより粘性が強く、中央部が周辺に比べ濃色でほとんど黄褐色。柄は細めで上部の粘質のツバの上はややくびれ細くなる。コガネヌメリガサは全体にキヌメリガサより大型で、より高山に発生する。
キヌメリガサ 晩秋のカラマツ林にて。林床一面に散生していた。