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可食。夏から秋にかけて道端や公園などに群生する。発生地の地中には腐木などの有機物が埋まっている。カサは幼時細長い卵型で、のち円錐形。完全に開くことはなく、柄の中位まで、カサがかぶさっている。色は、初め白色でのちに淡黄土色から灰褐色。カサ全面が若いときは白色、成長すると淡黄土色から灰褐色の綿毛状のササクレに覆われ、さらに成熟すると放射状の長い条線があらわれる。ヒダは離生し密。初め白色、のち淡紅色をへて暗褐色、最後にはほぼ黒色となる。ササクレヒトヨタケのカサは老成すると黒インキ状に液化し、溶け落ちる。これは、腐ったわけではなく、自身の持つ消化酵素により細胞が解かされるため。溶け落ちて地面に溜まったササクレヒトヨタケに虫などが集っているところをみると、この性質は、胞子の拡散に一役かっているのかもしれない。ササクレヒトヨタケの柄は白色、中空。下方に向かってやや太くなるが、基部が膨らんだあと、地中部ではしだいに細くなり先端はとがる。柄の中位には淡黄土色で可動性のツバがリング状に付く。ササクレヒトヨタケは優秀な食菌でもあり、まだヒダが白色の幼菌が利用される。日本ではまだなじみが薄いキノコではあるが、海外では栽培もされ、最近では輸入もされている。
ササクレヒトヨタケ 林道脇の貯木場あとに発生していた。最近では食用に栽培されたものが輸入されている。